中村キース・ヘリング美術館が「Drawing Social Impact キース・ヘリング:社会に生き続けるアート」展を開催する。期間は2018年2月9日(金)から2018年11月11日(日)まで。

 

Keith Haring artwork ©︎ Keith Haring Foundation

 

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「キース・ヘリング:社会に生き続けるアート」展について

キース・へリングといえば、ユニクロ「UT」のイラストでご存知の人も多いのではないだろうか。特徴的なポップなイラストは、一目見れば「キース・ヘリング」だ、と分かるくらい日本でも親しまれている。

 

中村キース・ヘリング美術館で開催される「Drawing Social Impact キース・ヘリング:社会に生き続けるアート」展は、新しく収蔵作品に加わる1990年の作品《オルターピース:キリストの生涯》を初公開する。これは1990年2月16日31歳でキース・へリングがエイズにより亡くなる数週間前に完成した最後の作品だ。

 

教会の祭壇のためのオルターピースとして現在世界の教会や美術館9箇所に収蔵されており、ヘリングの追悼式が行われたニューヨークのセント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂には今も飾られている。死を目前にしたヘリングの平和への願いと希望、そして生命の力が刻まれた永遠の作品。ファンは必見の作品になりそうだ。

 

また、当館は一部の作品を除き館内外撮影可能。ヘリングの作品に囲まれた展示室はもちろん、スタイリッシュな建築もカメラに収めることができるのは嬉しい。※館内はフラッシュの使用及び動画撮影不可

 

本展覧会のみどころ

1,ヘリングが表現した80年代と未来へのメッセージ

地下鉄のグラフィティに始まり、ポスターアート、などあらゆるメディアを駆使し自身の思想を社会に発信し続けたヘリング。本展覧会では、ヘリングがどのように社会を捉え未来を見据えていたのか、彼の遺した作品を通して探る。

2,《オルターピース:キリストの生涯》初公開

この度、当館のコレクションに加わることとなったヘリングの最晩年にあたる1990年に制作された祭壇画(オルターピース)をお披露目。暗闇に浮かぶ作品と荘厳な空気を体感してみて。
(※本作品のみ撮影不可)

3,ミラノからの凱旋展示《無題(ピープル)》

3㎡を超える布に縦横無尽に人々が描かれた《無題(ピープル)》(1985)は、当館のコレクションの主幹をなす一作。昨年、ミラノのパラッツォ・レアーレで開催された大回顧展「Keith Haring About Art」展でも展示され大きな話題となった。

4,時代とともに振り返るポスター・アート

ヘリングは生涯を通して、ポスターであらゆる主題に取り組んでいる。本展覧会では当館の大規模なポスターコレクションを通じて、学生時代に制作された展覧会のためのポスターから、アクティビズムの隆盛を極めた晩年のポスターまで時代背景をふまえながらヘリングのポスター・アートの変遷をたどる。

キース・ヘリングについて

 

キース・ヘリングは、ウォーホルやバスキアなどと同様に、1980年代のアメリカ美術を代表するアーティストである。80年代初頭にニューヨークの地下鉄構内の広告板を使った「サブウェイドローイング」というグラフィティ・アートで一躍脚光を浴び、その後次々と展覧会が開催され、国際的にも高く評価された。

 

活動は、ニューヨークのタイムズ・スクエアのビルボードのアニメーションから、舞台デザイン、グッズを販売する〈ポップショップ〉をオープンするなど、多岐に及ぶ。また世界中で壁画を制作し、子ども達とのワークショップなども開催し、社会的なプロジェクトも数多く手がけた。

 

キース・ヘリングは、1988年にAIDSと診断され、その翌年には恵まれない子ども達への基金やHIV/AIDS予防啓発運動を継承していくための財団を設立。1990年31歳で亡くなるまで、アートを通して社会活動に積極的に関わっていた。

中村キース・ヘリング美術館について

当館は八ヶ岳の裾の尾に位置し豊かな自然環境に包まれ、古代縄文文化が隆盛を極めた土地に2007年に建設された。

 

コレクションは、当館創設者中村和男が1987年より蒐集している約200点のキース・ヘリングの作品からなり、アーティストを多角的に考察することができる。展示空間はキース・ヘリングと彼が駆け抜けた時代の「光と影」を根底とした空間で構成。

 

建築も凝っていて、赤と黒の大胆にカーブしたルーフや波動や稲妻を表現した外壁は、ヘリングの作品に通底するプリミティブな生命のエネルギーをも表している。これら一連の設計は、日本の現代建築をリードする北川原温氏によるもの。この設計は、第21回村野藤吾賞、日本建築大賞(2009)を受賞したほか、二度にわたり山梨県建築文化賞を受賞している。

 

2015年春には「美術館を超えた美術館」をテーマにリニューアルオープン。ヘリング芸術を引き継ぐ新しいアートで現代社会の声を提示することを目的とした二つの新しい展示スペースおよび芸術活動の一環としてヘリングが創った〈ポップショップ〉の遺志を受け継ぐ、中村キース・ヘリングポップショップの空間が拡張されている。

開催概要

「Drawing Social Impact キース・ヘリング:社会に生き続けるアート」
会期:2018年2月9日 (金) ~2018年11月11日 (日) ※休館日4月16日 (月)
会場:中村キース・ヘリング美術館
住所:山梨県北杜市小淵沢町10249-7
開館時間:午前9:00 ~ 午後5:00
入 館 料:
・一般1,000円
・シニア900円
・学生700円
・13~18歳500円

主催:中村キース・ヘリング美術館
後援:アメリカ合衆国大使館、山梨県、山梨県教育委員会、北杜市、北杜市教育委員会
協力:キース・ヘリング財団、シミックホールディングス株式会社

問い合わせ先

TEL: 0551-36-8712

公式サイト

URL:http://www.nakamura-haring.com/

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