目次
資生堂書体 とは
資生堂 宣伝・デザイン部について
書体の基礎を築いたのは小村雪岱
小村雪岱(こむら せったい)は、1918年から1923年にかけて、弊社宣伝・デザイン部の前身である資生堂意匠部に所属し、和風のデザインを手掛けるほか、現在まで受け継がれている「資生堂書体」の基礎を築いた人物。
1887年埼玉県川越市に生まれ、東京美術学校(現・東京藝術大学)日本画科選科を卒業。在学中より泉 鏡花の知遇を得、1914年に書き下ろし小説『日本橋』の装幀を依頼されて以降、鏡花本を始めとする数多くの装幀を手掛けることになった人だ。
在学中は下村観三教室で学んだ雪岱だが、日本画のみならず、小説の挿絵や書籍の装幀、舞台芸術の分野では装置や衣装や時代考証にも優れた才能を発揮し、昭和初期から太平洋戦争前夜の1940年に急逝するまで、幅広い活動を精力的に繰り広げ、時代を代表する創作者として活躍した。
2014年には、静岡・掛川にある「資生堂アートハウス」で展覧会も開催されており、資生堂アートハウスと資生堂企業資料館のコレクションの中から、新聞小説や単行本の挿絵原画、装幀本に加え、雪岱版画の数々、さらには資生堂に関連する出版物や商品など約80点が公開された。
資生堂書体の美しさに迫るムービー
資生堂書体「美と、あそびま書。」|資生堂
そんな美しい書体を受け継いできたチームがアートディレクションを行った資生堂書体を紹介する動画は必見。ミニマルなBGMとともに、手書きで「美」という文字が出来上がっていく過程を見ることができる。
伝統に縛られることなく、美と遊ぶ心を忘れることなく磨かれ続ける資生堂書体。その魅力が存分に表現された美しいムービーに仕上がった。監督には、国内外から高い評価を得ている映像作家のTAKCOM / 土屋貴史氏を起用している。
資生堂書体を染めた風呂敷も
中央区・銀座にある「SHISEIDO THE GINZA」では、2014年4月17日(木)より、3種類の資生堂書体風呂敷を販売している。柄は、「美」、「あそびましょ」、「つらつらつばき」の3種展開。
この風呂敷は、資生堂のオリジナル書体である資生堂書体を、京友禅の「岡重(おかじゅう)」の技術で染め出したもの。岡重は、安政二年創業(1855年)の創業より続く老舗。友禅染めを用いた小紋や更紗など高級呉服の発展にとどまらず、現代のライフスタイルに合わせ斬新な提案を世界に発信し続けてきた。日本、アジアの伝統文化工芸の継承にも力を入れている。
「資生堂書体風呂敷」
発売日:2014年4月17日(木)
価格:3,600円(税抜)
サイズ:W74cm ×H75.5cm
素材:ポリエステル100%
柄展開:全3種(美、あそびましょ、つらつらつばき)
店舗情報: SHISEIDO THE GINZA
住所:東京都中央区銀座7-8-10 1-3F
営業時間:11:00~20:00 不定休
WEBサイト「こちら、銀座 資生堂 センデン部」も
ここまで読んで、美しいフォントを作っている「資生堂 宣伝・デザイン部」の活動はどこで知ることができるのだろう、と思う人のために、WEBサイト「こちら、銀座 資生堂 センデン部」も紹介。資生堂 宣伝・デザイン部の活動を紹介するサイトで、独自の企業文化である資生堂書体を特集した「ハナシ」と「サクヒン」を公開している。
中には、資生堂書体についての対談のコンテンツもある。フォントの世界で著名な小林章(書体デザイナー/モノタイプ社タイプディレクター)と、宣伝・デザイン部グラフィックデザイナー小林豊が、書体の歴史や、背景、文字に対する想いを綴っている。
■WEBサイト「こちら、銀座 資生堂 センデン部」
URL:http://www.shiseidogroup.jp/advertising/
■対談のページ