楽園への歩み，ニューヨーク郊外，1946年 © 2017 The Heirs of W. Eugene Smith
ドキュメンタリー写真家 ユージン・スミスの展覧会「生誕100年 ユージン・スミス写真展」が、東京都写真美術館で開催される。会期は、2017年11月25日(土)から2018年1月28日(日)まで。
ユージン・スミスとは
ユージン・スミスは、写真史上、もっとも偉大なドキュメンタリー写真家のひとりと言っても過言ではない。グラフ雑誌『ライフ』を中心に「カントリー・ドクター」、「スペインの村」、「助産師モード」、「慈悲の人シュヴァイツァー」など数多くの優れたフォト・エッセイを発表し、フォト・ジャーナリズムの歴史に多大な功績を残した。
アンドレア・ドリア号の生存者を待つ， ニューヨーク，1956年 © 2017 The Heirs of W. Eugene Smith
とりわけ日本との関わりは深かく、17歳のときニューヨークで偶然であった日系写真家の作品につよい感銘をうけ写真の道を志すきっかけになったこと、太平洋戦争に従軍し、戦争の悲惨で冷酷な現実をカメラで世に伝えようとして自らも沖縄戦で重傷を負ったこと、戦後の日本経済復興の象徴ともいえる巨大企業を取材した「日立」、その経済復興の過程で生じた公害汚染に苦しむ「水俣」の漁民たちによりそった取材などがある。
建設現場のシュヴァイツァー，ガボン，1954年 © 2017 The Heirs of W. Eugene Smith
本展覧会は，生誕100年を回顧するもの。スミス自身が生前にネガ，作品保管を寄託したアリゾナ大学クリエイティヴ写真センター（CCP)による協力のもと、同館所蔵の貴重なヴィンテージ・プリント作品を約150点展示する。情報あふれる現代社会に生きる私たちにとって、ジャーナリズムの原点をいま一度見つめ直すきっかけになることでしょう。
写真展概要
生誕100年 ユージン・スミス写真展
W. Eugene Smith: A Life in Photography
会場：東京都写真美術館 地下1階展示室
会期：2017年11月25日(土)～2018年1月28日(日)
休館日：
・毎週月曜日（ただし月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日休館）
・12月29日(金)～2018年1月1日(月･祝)
※年始特別開館 2018年1月2日･3日は11:00～18:00開館
※1月8日(月･祝)は開館し、翌9日(火)は休館
料金：
・一般 1,000（800）円
・学生 800（640）円
・中高生・65歳以上 600（480）円
※（ ）は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引（ご利用案内をご参照ください）。
※小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害をお持ちの方とその介護者は無料。
※第3水曜日は65歳以上無料。
※当館年間パスポートご提示者割引（同伴の方1名様まで割引）
※1月2日(火)･3日(水)は通常料金。
主催：クレヴィス
共催：東京都写真美術館
後援：公益社団法人日本写真協会，公益社団法人日本写真家協会
協賛：株式会社ニコン，株式会社ニコンイメージングジャパン
協力：アリゾナ大学クリエイティヴ写真センター
関連イベント
1階ホールにて講演会を開催。
※参加無料(ただし,本展の観覧券が必要) 定員190名
※当日10:00より1階受付にて入場整理券を配布
※講演会のタイトル、内容は変更となる場合あり
通夜，スペイン，1950年 © 2017 The Heirs of W. Eugene Smith
1.ユージン・スミスを語る
※英語による講演，通訳付き
日時：2017年12月3日(日)14:00－15:30(開場13:30)
講師：ケヴィン・スミス(ユージン・スミス次男)、アイリーン・美緒子・スミス(写真集『水俣』共著者)、レベッカ・センフ(アリゾナ大学CCPチーフ・キュレーター)
聞き手：徳山喜雄(ジャーナリスト)予定
2.ユージン・スミスの生きた時代
日時:2018年1月14日(日)14:00－15:30(開場13:30)
講師:野町和嘉(写真家)、大石芳野(写真家)
聞き手：徳山喜雄(ジャーナリスト)予定
水俣問題の中央公害審査委員会，東京，1973年頃 © Aileen M. Smith
関連書籍
本展の開催にあわせて写真集を刊行
『ユージン・スミス写真集 A Life in Photography』
モノクロダブルトーン印刷，B5変型，約200頁，上製
定価：本体2,500円+税
発行：クレヴィス
ISBN978-4-904845-95-0
